当院の歯周病治療

歯周病は特別な病気ではなく、生活習慣病の一種に数えられています。主に磨き残した汚れが原因で細菌が繁殖し、歯ぐきや骨に炎症が起きる細菌感染症です。

初期段階ではあまり自覚症状がなく、気づかないうちに進行していくのが歯周病の恐ろしいところです。悪化すると歯を支える歯ぐきや骨が失われ、土台が不安定になって歯がグラグラし始めます。歯並びが崩れ、最悪の場合は歯が抜けてしまいます。

歯周病によって支障をきたすのは、お口の中だけではありません。心筋梗塞や脳梗塞、糖尿病、低体重児出産など、全身の病気に悪影響を及ぼすことがわかっています。特に糖尿病の人は歯周病になりやすく、歯周病の人は糖尿病を悪化させやすいことから、「歯周病は糖尿病の合併症の一つ」とされるほど密接な関係があります。したがって歯周病の改善は、糖尿病の治療や管理にも役立つと言えるでしょう。

また近年の研究により、歯周病菌がアルツハイマー型認知症を促進させるという事実が明らかになってきました。現段階では、歯周病菌が作り出す毒素（酪酸）が、アルツハイマー病を引き起こす原因となる可能性が指摘されています。歯周病へのアプローチは、高齢になった際の病気のリスクを下げる一つの方法かもしれません。

歯周病の治療や予防は、全身の健康にも大きく関わります。だからこそ、歯周病の原因と健康への影響を皆さまに正しくご理解いただきたい。そして歯周病の改善により、全身の健康を維持してほしいと願っています。

歯周病治療では、歯科医院での処置と併せて、歯磨きや生活習慣の見直しも行う必要があります。軽症ならセルフケアのみで対処できるケースもありますが、進行している場合は歯科医院で専門的な治療を受けるのが良いでしょう。自覚症状に乏しい病気という点を忘れず、まずはご自身の歯とお口の状態を歯科医院でチェックしてもらうのがおすすめです。

歯周病を改善するには、原因である歯周病菌をお口の中から減らす必要があります。歯周病菌は歯石やプラーク（歯垢）に含まれているため、これらの汚れをしっかりと取り除かなければいけません。

歯石・プラークの除去は歯科衛生士が行います。汚れを取り残すと症状はなかなか改善しませんので、歯科衛生士の知識や技術が重要です。

当院の歯科衛生士は全員、10年以上（※）の経験を積んでおり、中には経験30年以上（※）のベテランも在籍しています。衛生士のスタッフは歯石やプラークを除去するテクニックを磨くため、研修を受講するなど余念がありません。豊富なノウハウを持つメンバーが専門知識と技術・経験を活かし、患者さまのお口の状態に合わせた歯周病ケアを実施いたします。

歯石・プラークを取り除く処置に対し、痛いというイメージをお持ちの方もいらっしゃるでしょう。私たちは必要に応じて麻酔を使用するなど、痛みやお体への負担が少ない歯周病ケアに努めています。痛みを我慢させるようなことはせず、豊富な経験と培った技術に基づく丁寧な処置で症状の改善をめざします。

※2024年現在

歯周病は一旦症状が治まっても、誤った歯磨きや生活習慣の変化で再び発症しやすい病気です。再発を防止するには、歯科衛生士によるお口のメインテナンスが欠かせません。

当院では、治療後もお口の状況に合わせて3～6か月ごとに通院いただき、お口のクリーニングやご家庭での歯磨き方法のアドバイスを行っています。当院の歯科衛生士は、積極的に外部の研修会に参加するなど技術向上に熱心なスタッフばかりです。きっと安心して施術を受けていただけるでしょう。

また私たちは、患者さまご本人にお口の中の状態を目で見て把握してもらいたいと考えています。そのためお口の中を撮影した写真をお見せしており、実際にどれだけ歯周病が改善したのか、ご自身で確認が可能です。

丁寧できめ細やかなケアを継続することで、治療後もお口の健康を保つお手伝いをいたします。当院で治療やメインテナンスを受けて「歯ぐきの腫れが落ち着いた」などのお声をいただく機会も多く、大変嬉しく思っています。